丹後山・大水上山(その2)

今日も夜勤明けからの遅いスタート。新潟県南魚沼市の天気予報は1日目の夜までは曇り。翌日の朝は雨、昼頃から天気が回復するとのこと。悪条件でしたが、出発を決めました。自宅を8:30に出発して十字峡の登山口に11:30に到着。昨年の土砂災害の影響で一部通行止めの箇所がありましたが、なんとか登山口に到着。20kgの荷物を背負っての登山は久しぶり(約15年ぶり)。キツイキツイ。荷物の詰めすぎを今さら悔やんでも仕方が無く・・・根性の登山となりました。あまりにも遅いペースだと自分では思っていましたが約4時間で丹後山避難小屋に到着。小屋では、神奈川からいらした単独男性と、夜遅くまでお酒を飲みながら楽しく過ごしました。彼は新幹線とタクシーを乗り継いでここきて、大水上山まで登ってから小屋泊まり。明日は下山するのみなのですが・・・携帯(ソフトバンク)の電波が通じなくてタクシーを呼べないと困っていました。そう言われれば私も助けないわけには行きません。明日は一緒に下山することになりました。夜中、少し雨も降り、明け方の天気が不安でしたが・・・


明け方、小屋を出ると星が2個出ていました。薄っすらと一部の方向だけ晴れ間があります。
どうやら雨は無く、天気予報は良いほうに外れたようです。


朝の食事を済ませ、荷物をまとめる。お酒と食料と水がかなり減りました。
写真のザックは私のドイターエアーコンタクト65+10です。丈夫なつくりで重量があります。ベルトが厚く、背負い心地が良かったので購入しましたが、もう少し軽いやつのほうが良かったかも・・・少し後悔。
小屋の掃除を済ませて、いよいよ出発です。きれいな小屋で気持ちよく過ごせました。


5:19<0分>丹後山避難小屋
日の出とともに出発。神奈川の方は先に下山しているとのこと。


昨日は全く見えなかった中ノ岳が見えました。なんという幸運でしょうか・・・きれいな山容です。
中ノ岳】プロフィール
中ノ岳(なかのだけ)は、新潟県南魚沼市に位置する山で、標高2,085m。
越後駒ヶ岳、八海山とともに越後三山を構成し、その最高峰でもある。南は兎岳、大水上山を経て利根川水源の山々に接続している。山頂の西には前衛峰の御月山がある。標高はそれほど高くないが、豪雪地帯に位置するため、盛夏でも雪渓を残す山である。日本二百名山の一つ。


5:23<4分>丹後山山頂
【丹後山】プロフィール
丹後山には大水上山登山には欠かせない丹後山避難小屋がある。昭和51年に建設、平成16年に改修された。周辺は環境庁利根川源流部自然環境保全地域に指定されている。(上毛新聞社 ぐんま100名山より)


中ノ岳


ニッコウキスゲ


大水上山が見えてきました。
上毛新聞社「ぐんま100名山」の表紙と同じ絵が眼前に広がっています。


緩やかな稜線を気持ちよく歩きます。なんとすがすがしい朝なんだろう。


白山風露(ハクサンフウロ)
ハクサンフウロ(白山風露、Geranium yesoemse var. nipponicum)はフウロソウ科フウロソウ属の多年草高山植物の一つ。
東北地方〜中部地方伊吹山まで)に分布。高山の雪渓周辺の草地に生える。高さは50cm程度。花期は7〜8月。花色は紅紫色。花弁は5枚。


雪渓と雲海


5:43<24分>利根川水源碑
昭和29年(1954)になって、第3回利根川水源調査団がようやく利根川の水源は、標高1,834mの大水上山の三角形の雪渓であることをつきとめたそうです。そこに建てた群馬県の水源碑です。大水上山の頂上から少しだけ南側にあります。


この雪渓が利根川の水源に・・・今私はその上に立っています。スゴイ!


雪渓から水蒸気がたっている。


5:55<36分>大水上山山頂
【大水上山】プロフィール
大水上山はみなかみ町南魚沼市(旧六日町)、魚沼市(旧湯之谷村)との境にある。その南峰には、群馬県が昭和63年に建てた「利根川水源」の碑がある。南峰の東斜面に残る三角雪田から滴り落ちる一滴一滴が総延長322km、関東平野を潤す大利根の流れになる。(上毛新聞社 ぐんま100名山より)


山頂より


兎岳


三国川ダム、十字峡方面
【三国川ダム】プロフィール
三国川ダム(さぐりがわダム)は、新潟県南魚沼市(旧・南魚沼郡六日町)、信濃川水系三国川(さぐりがわ)に建設されたダム。高さ119.5メートルのロックフィルダムで、洪水調節・不特定利水・上水道水力発電を目的とする、国土交通省直轄の多目的ダムである。ダム湖人造湖)の名はしゃくなげ湖という。なお、広島県東広島市福富町にある、福富ダムのダム湖もしゃくなげ湖という。


登ってきた稜線・・・利根川水源の三角雪渓


神奈川から来た男性が先行して下山しています。これから一気に追い上げます。


素晴らしい雲海


丹後山
丹後山の背後(右)に巻機山


隈笹が生き生きとしている。


水滴のついた植物たちが、朝日を浴びて、黙々と成長している姿は、何か?こみ上げるパワーのようなものを感じる。


ハクサンフウロ


6:28<69分>丹後山避難小屋


巻機山への登山道・・・笹は刈られていないが、薄っすらと道は見える。


モグラの死骸・・・南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏


6:44<85分>8合目
蛇と遭遇。昨日からかれこれ5回目です。
この辺りではすでに天候が急変して曇り空。中ノ岳も全く見えません。


3合目でようやく神奈川の男性と合流。
私の歩くペースが速いと聞いて、急いで下山したそうです。しかし、持病の外反母趾が悪化してしまい、痛くてうまく歩けないという。
ここから休憩を頻繁にとっての下山となる。


朴の木(ホオノキ)
大きくなる木で、樹高30m、直径1m以上になるものもある。
樹皮は灰白色、きめが細かく、裂け目を生じない。葉は大きく、長さ20cm以上、時に40cmにもなり、葉の大きさではトチノキに並ぶ。葉柄は3-4cmと短い。葉の形は倒卵状楕円形、やや白っぽい明るい緑で、裏面は白い粉を吹く。互生するが、枝先に束生し、輪生状に見える。花も大型で大人の掌に余る白い花が輪生状の葉の真ん中から顔を出し、真上に向かって開花する。白色または淡黄色、6月ごろ咲き芳香がある。
ホオノキは花びらの数が多くらせん状に配列し、がく片と花弁の区別が明瞭ではないなど、モクレン科の植物の比較的原始的な特徴を受け継いでいる。
果実は袋果で、たくさんの袋がついており、各袋に0 -2個の種子が入っている。


林道に出ました。


東北電力の社員の集団がザックに熊鈴を鳴らしながら登ってきました。「丹後山ですか〜」と声をかけられる。


11:14<355分>十字峡駐車場
駐車場は工事車両で一杯でした。月曜日ですからね・・・
それにしても時間がかかりました。怪我人がいたので仕方がありません。これも山登りのトラブルとして仕方が無いことです。
一人であれば2時間位で降りてこれそうです。
結局、この後、彼を越後湯沢の駅まで送ってあげました。一晩をともにした登山仲間です。たまにしか無いし・・・こういうこともお互い様でしょう・・・
【感想】悪天候の予報でしたが、朝の短い時間だけ奇跡的に晴れました。おかげで中ノ岳、丹後山、大水上山もその山容を確認できました。豪雪地帯にある辺境の地。素晴らしかったです。林道からの景色も素晴らしく綺麗でした。群馬県の最北地、利根川水源の上にも立つことができたし満足です。次回は紅葉の時期に軽装で中ノ岳から丹後山の周回ですね。ぐんま100名山も92座。残り8座にせまりました。
出会った花