白馬三山(その2)

5:35猿倉荘を出発。前回の反省から荷物をだいぶ減らしたもののやはり重い。しかし慣れないとね。猿倉から白馬尻小屋まではほとんど林道歩き、前方に雄大な白馬岳望む。白馬尻小屋からはいよいよ大雪渓。ひんやりとして気持ちが良いが、距離が思ったより長い。全長約3.5kmだとか・・・今回17年ぶりの白馬岳だが、記憶はほとんど残っていなかった。大雪渓も終わり避難小屋まで来ると白馬岳からの下山者とかなりすれ違いました。しかしここから広がるお花畑の綺麗なこと・・


宿泊用と思って、水を補充しましたが・・・いらぬ心配でした。取り越し苦労。
テン場には無料の水場があり、水の心配はありません。


お花は生き生きとしていて、みずみずしさを感じる。近くを流れる雪渓の雪解け水と湧水があいまってこの植物達に栄養を送る。素晴らしい。
いつも群馬の山ばかりだったが、やはり北アルプス。違いを感じる。


手形千鳥(テガタチドリ)
ラン科テガタチドリ属の多年草である。別名チドリソウともいう。
ヨーロッパから極東までのユーラシア大陸北部に分布し、日本では北海道と本州中部以北の亜高山帯から高山帯にかけての草原に分布する。茎の高さは30cmから60cm、花期は7〜8月で、1cm程度の小さな花が穂状に密集して咲く。花の色は淡い紅紫色。和名は、太い根が手のひら状になっていること、花が千鳥の飛ぶ姿に似ていることから付けられている。
類似種として、ノビネチドリ(Gymnadenia camtschatica )とハクサンチドリがある。ノビネチドリは葉の縁が波打っていること、ハクサンチドリは花の先端が尖っていること、全般的にテガタチドリの方が花の色が淡い傾向があること(ただし個体差がある)などから識別できる。


伊吹麝香草(イブキジャコウソウ)
シソ科イブキジャコウソウ属の小低木。別名、イワジャコウソウ、ナンマンジャコウソウ。
茎は細く、地表を這い、よく分枝する。枝には短い毛があり、直立して高さは3-15cmになる。葉は茎に対生する。葉身は卵形から狭卵形で、先端は鈍頭、長さ5-10mm、幅3-6mmになり、縁は全縁になる。全体に芳香がある。
花期は6-8月。枝の先端に短い花穂をつける。花冠は紅紫色の唇形で、上唇はわずかに2裂して直立し、下唇は3裂して開出する。萼は筒状鐘形の唇形となる。雄蕊は4本ある。果実は分果となり、やや扁平となる。和名は、伊吹山に多く産し、芳香があることから付けられた。


白馬グリーンパトロール・・・・この腕章を付けた方たちがゴミ拾いをしたり、危険な歩行をしてないか監視してくれていました。写真の掲示板にはお花の種類まで書いてくれています。


深山苧環(ミヤマオダマキ)
キンポウゲ科オダマキ属の多年草。北海道〜中部地方以北、南千島から朝鮮北部、樺太に分布する高山植物である。園芸品種として改良されたものが山野草として栽培されるが、高山性のものとしては栽培しやすい方である。
根は太くてまっすぐに下に伸びる。葉は根出状に数枚出る。それぞれ二回三出複葉で、一回目の枝ははっきり出るが、二回目はごく短く、小葉は互いに集まる。小葉は扇形、薄くて淡緑色、表面は粉を吹いたようになる。
茎は高さ10〜25 cmほど、花期は6〜8月で先端に数輪の花をうつむき加減につける。花は青紫色、萼片は広卵形で傘状に開き、花弁は円筒形にまとまって付き、先端はやや白っぽく、基部からは萼の間を抜けて距がのびる。
果実は袋果で、五本の先のとがった筒を束ねたような姿で上を向く。
秋田県宮城県群馬県・石川県でレッドリスト絶滅危惧種(絶滅危惧I類)と岩手県で絶滅危惧II類に指定されている。基準標本は、礼文島利尻島のもの。田中澄江が『新・花の百名山』の著書で早池峰山を代表する花の一つとして紹介した。礼文島では民家の近くでも自生している。


甘にゅう(アマニュウ)
セリ科シシウド属の大形多年草である。日本固有種である。北海道から本州の中部地方にかけてと鳥取県の大山、四国の石鎚山に分布し、平地や山地の草地に生える。「ニュウ」はアイヌ語由来の言葉で、食用・薬用になるものにつけられた名称である。茎に甘味があり食用になるというのが和名の由来である。別名を丸葉蝦夷ニュウ(マルバエゾニュウ)という。小葉が幅の広い卵形であることからきた名である。草丈は2メートルに達する。茎や葉には毛は生えていない。葉は1-2回3出複葉で、互い違いに生える(互生)。
3出複葉は三つ葉のことで、枝分かれした先にそれぞれ三つ葉をつけて1枚の葉となることもある。小葉は幅の広い卵形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の柄のつけ根の部分は膨れて鞘状となる。開花時期は6月から8月である。茎先に大きな複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、白い小さな花をたくさんつける。花序径は10センチから25センチくらいある。花の柄のつけ根には小総苞片がつく。近縁種の猪独活(シシウド)はこの小総苞片がなく、また葉に毛が生える。花の後にできる実は円柱形の分果(複数の子房からできた果実)で、翼がある。
属名の Angelica はラテン語の「angelus(天使)」からきている。この属の植物に強心剤として効果のあるものがあり、死者を蘇らせるというところから名づけられた。


白馬蒲公英(シロウマタンポポ)
キク科タンポポ属の高山植物
北アルプスの白馬岳、南アルプスの荒川岳・赤石岳に分布。高山帯の草地、岩場に生育する多年生植物。ミヤマタンポポの変種で、ミヤマタンポポより葉の切れ込みが深く、総苞外片の先端に小角突起がある点で区別ができる。花期は7〜8月。


雲間菫(クモマスミレ)
タカネスミレの亜種で、高山帯(北アルプス中央アルプス)の岩礫地に生え、高さは5-10㎝になる多年草。花柱は無毛。花弁の裏側は紅紫色を帯びる。葉は暗緑色で厚く、光沢があり無毛。岩手山秋田駒ヶ岳に生えるタカネスミレは、花柱の上部に突起毛があり、葉の脈上と葉柄の基部に毛がある。葉の色はクモマスミレほど暗い緑ではない。


9:44<249分>村営白馬岳頂上宿舎


宿舎の裏手に廻りこむとテン場があります。
1番のりかな?他の方はこれからテントをたたんで帰るところでした。


重い荷物だったので普段より余裕を持って予定を立てましたが、それでもかなり早めに到着してしまいました。
濡れタオルで体を拭いてから軽装に着替えました。


テント受付にて使用料¥500を支払います。


山頂にある自動販売機
キリン一番絞り 350ml ¥450購入


テント場の専用トイレ


ゆっくり昼寝でもしようと思いましたが、テントの中は暑い・・・水筒とカメラを持って白馬岳山頂へ向かいました。

出会った花